皆さ御機嫌よう。
皆さんはどんな小説が好きですか?
今日は日本のシュールレアリスム(シュール)の走りである
安部公房さんのおすすめ小説を紹介したいと思います。
急に名前がなくなったり、砂防に閉じ込められたり・・・
サブカル好きが喜ぶ不条理と不思議な話が満載です。
設定が特殊ですが恐ろしい文章力で
珍しいもの好きは勿論様々な人からの支持があります。
- 安部公房に興味がある
- サブカル/アングラな小説が好き
- 変わった物が好き
という方におすすめの記事になっています。
安部公房ってどんな人?経歴と作風を紹介!
安部公房のおすすめ小説を紹介する前に
経歴と作風を簡単に説明したいと思います。
超高学歴!安部公房の意外な経歴
安部公房は戦時中に東京に生まれ 少年時代を満州で過ごします。
その後は何と東京大学の医学部で学生時代を過ごします。
小説は世界中で翻訳されノーベル賞の最有力候補にもなりました。
活躍は小説分野だけでなく様々な芸術運動に参加し幅広く活躍していました。
シュールの先駆者!安部公房の作風
安部公房の作風と言えばシュール(シュルレアリスム)!
ある日突然名前がなくなっていたり、 顔がなくなったり・・・
とにかく不条理で超現実(現実を超えてるけど現実)な不思議な設定です。
そして東大医学部卒の頭脳から繰り出される論理的な文章で、
どんなに無茶な設定でも現実に起こりそうな気になってしまいます。
アングラ/サブカル好き必読!安部公房のおすすめ小説5選!
それでは安部公房のおすすめ小説5選を簡単なあらすじと共に紹介します!
『砂の女』
まずは超超有名作で安部公房の代表作でもある砂の女です。
砂丘へ昆虫採取に行った男が砂に埋もれた村に閉じ込められます。
お得意の不条理設定です。
そこで出会った女と早く出たい男のせめぎあい・・・
男は自由だと”思っていた”砂に埋もれる前の生活を思い出します。
よし・・・!!
という事で続きは本でお読みください!
めちゃくちゃな設定ですが表現力と文章力でそんな事を忘れてしまいます。
不条理の中でどう生きるべきなのか?
そんなメッセージが多分にあり今読んでも学ぶことが多い作品です。
『他人の顔』
続いてはこちらの作品です。
お豆が一番好きな小説ですね。
皆さんにとって顔とは何でしょう?
主人公は研究所の液体窒素の爆発で顔に大やけどを負い顔を失います。
他者と自分を繋ぐかけ橋である顔を失った主人公は卑屈になっていき、
妻との関係も崩れていきます。
そこで、妻に隠れて”他人の顔”をした仮面を手に入れます。
その仮面を使って妻を誘惑しその誘惑に乗る妻。
顔を失ったコンプレックスと他人の顔に誘惑されることで生まれる仮面への嫉妬。
そして最終的にとんでもない行為に至ります・・・
主人公の様々な葛藤がロジカルな文章で詳細に表現されています。
顔とは何か?個性とは何か?人間とは何か?
を深く考えさせてくれる名著です。
『壁』
続いて紹介するのは安部公房作品の中でも特にシュールなこの作品です。
主人公はある朝突如名前を失います。
全く名前を思い出せない主人公・・・
名前がないと生活できない地球で彼は存在する権利、
所属、帰る場所・・・全てを失います。
そんな不条理な世界で主人公は生きていきます。
そんな世界で主人公はマネキンを愛しラクダに愛情を抱き最終的に・・・
無茶苦茶な話ですが違和感を全く感じることなくすらすらと読めます。
安部公房の表現力や素晴らしい文章力がわかる名作です。
めちゃくちゃ凄いです。
『箱男』
主人公は縦横1m高さ1.3m程で目線に切れ目を入れた箱をかぶり都市を彷徨います。
帰る場所を捨てひたすら箱の中から観察。
見られずに見ることに没入していきます。
”見る”という行為は”見られる”という行為でもあります。
必ず他者があって成立する行為です。
何事もそうですが”○○する”は”○○される”を呼びます。
しかし箱男になる事で”見られる”と言う行為つまり他者を捨てます。
そんな帰属を捨てた主人公はそこからどんな世界を見るのでしょうか?
この小説はストーリーやメッセージ性は勿論ですが、
新聞記事やフィルム写真が挿入されており実験要素が多くあります。
その辺も楽しんで頂ければと思います!
『燃えつきた地図』
最後に紹介するのはこの小説。
都会で失踪した男性を追跡していた探偵も失踪してしまうという小説です。
物語の中で様々な問題が発生しますが解決には至らず、
方向性を見失い、方向性どころか自分の存在も見失いながら進んでいきます。
目的や存在意義が曖昧なまま”都会なら何かあるだろう”
と訳の分からない希望を持つうちに存在を見失っていく。
現代にも通ずる教えが学べるとお豆は思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
音楽もいいいですが小説もたまにはいいですよね。
安部公房さんの作品は設定が奇抜でアングラ/サブカル好きの方に
自信をもっておすすめ出来ます。
少々難解な作品もありますがきっと気に入ると思います。
以上!
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